ダイの大冒険2020、第7話が放送された。
クロコダインの最初のバトルの終わりから、マァムが仲間に加わるまでが描かれた。

基本的に原作コミック準拠で進みつつ、いくつかのシーンに関しては演出のコンパクト化が図られており、2020年版全体の「短縮」は今回もいかんなく発揮されている。

参考に91年版アニメを見返してみたときに、マァムの旅立ちに至るまでの回想シーンがやたら多かったことに気がついた。15年前の、アバン、ロカ、レイラの冒険のシーンも描かれているほか、アバンのマァムへの修行の様子もかなり尺をとっている。なぜかそのへんにいる怪我をしている鹿に対してホイミをかける練習をするというものなど。
何度かPodcastでも触れているが、当時連載中であったジャンプ漫画のアニメ化の場合には「原作に追いついてしまう」のを防ぐ必要があり、結果的に回想シーンやバトルシーンを使って時間尺を延ばすことはよく行われていた。それが冗長に感じるアニメもあるが(ドラゴンボールなど)、ダイの大冒険に関しては、そこまで冗長に感じるところは多くないな、と91年版を見返してみていても思う。

短縮と合わせて、2020年版の特徴である「性的描写のカット、ジェンダーバイアス的なセリフのカット」は、今回第7話では顕著であった。原作読者ならよく知っている、夜ネイル村でポップとダイが猥談(こう書くと文字面に笑ってしまうが)をするシーンは完全カットであった。

91年版のアニメでは、原作以上にキャラもデフォルメされてそこをきっちり表現していたのだが、2020年版では、本当にカットだった(笑)。参考までに画像に91年版のダイのにんまり顔のシーンを入れておく。というかこれはもう原作を超えて91年版はデフォルメしすぎなんじゃないかという気もする(笑)。

あとはダイが長老と魔法の修行をするシーンでは、地面に落ちたメラの火球をすくってなげるシーンに関しては原作や91年版と同じであったが、今回はなぜかもう一発メラを放ち、やはり落下した火の玉をサッカーのシュートよろしく蹴り飛ばすダイというシーンが追加されていた。
上述のように短縮が必須になっている2020年版でむしろシーンが追加されたことは驚きだった(ごくごく短いシーンではあるものの)。なんというか、かつて流行った中国映画、「少林サッカー」を思い出してしまった。

あとは、最後に、ネイル村を出たポップとダイに、マァムが追いついて仲間になるシーン。原作や91年版では、マァムの合流に喜ぶ2人のジャンプが1コマ描かれて終わる。だが2020年版では、その後に会話シーンが挟まれるという違いがある。このnoteのカバー画像参照いただきたい。

会話は以下のように進んでいく。

ダイ「良かったじゃんポップ」
ポップ「何言ってるんでい!俺はあいつならいい戦力になると思って…」
マァム「ダイ、ポップ、あなたたちがアバンの使徒と呼ばれるなら、私はその先輩でしょう?だから私も、先生の遺志を継いで戦うわ!」
ポップ「マァム、おまえ、まさか…」
マァム「詳しい話は道々聞かせて。さあ、こっちよ!ほら、早く!」
ポップ「なんか、この先仕切られそうだな。」
ダイ「頼りになるってことだよ。とにかく行こう」

この会話によって、マァムがアバンの死を感づいており、その上で仲間になることを決めたこと、そして詳細は道中で説明されるのだ、ということを視聴者に認識させている。話の整合をしていると言える。

兎にも角にも、ようやくここのシーンをもって、2020年版の各話エンディング曲のアニメーションで描かれる「3人の旅」が実現した。今がちょうど7話なので、おそらくクロコダイン撃破から、ヒュンケルとの邂逅に至るあたりで、1クール終了するので、そこでエンディング曲とアニメーションも変わるのではないかと想像される。

ということでこれからも引き続き展開を楽しみにしていきたい。