ダイの大冒険(2020)第72話「最後の一太刀」が放送された。ダイvs超魔ハドラーの闘いが決着し、キルトラップによって業火に包み込まれ、打つ手なしというところまでが描かれた。

冒頭でダイが技を出すために準備するところでは後ろに仲間たちが描かれていた。これはより、ダイと仲間の絆を見せる演出に感じられる。

なぜルーラを使ったかの解説のところ、先週ではいいところのなかったポップが、今週では心からダイを信じて応援する役回りになっていた。この変化ぶりがポップの魅力の1つであろう。

このあと、ダイとハドラーの顔が並ぶところで、なぜか絵画的な、静止画的な描き方だった。これはアニメオリジナルであった。

しかし、ハドラーはなぜ、ギガデインが使えるならギガブレイクが技だと断言したのだろうか。ふつうに考えたらギガストラッシュだと思うんだけど。それほどやはりバランのギガブレイクの印象がハドラーには強かったということか。

そして、このあと前週の予告でも出ていた、文字が画面全体にどかんと出る演出がまんま入った。これは正直そこまでかっこよくはないと思うんだけど(笑)。まあでも、ここが最初で最後だと思えば、ある意味でこの「3人の主人公」の物語が終わりになる、もっとも熱いバトルを印象づけるためと思えばそれはそれでありかもしれない。

全体的にタッチが昭和劇画調であった。これはバランとダイの親子決戦のとき以来のタッチである。そしておそらくはこれが最後となる描かれ方のように思われる。

ギガストラッシュが炸裂する直前、ハドラーが口を少し閉じて、ちょっと静かな雰囲気になる一瞬が描かれていた。これは原作にはないシーンだった。これはどう解釈するか。考え方によっては、技の命中前にハドラーはすでに勝負の結果を悟っていたということになるだろうか。正直なところ、技の威力にそこまで決定的な差があったとは思えない。となると、もはや超魔爆炎覇を当てにいくというより、ギガストラッシュを受けに行ったというように捉えることもできるのではなかろうか。そしてまたこの後マァムが心の内で語るように、超魔生物が敗れると灰になることも知っていたはずだ。ある意味では、灰になることで、アバンを奪ったことへのダイたちへの贖罪を果たそうとしたようにも思える。

ダイが「先生と父さんからもらった力がないと勝てない」と語るところ。これも、よく考えるとかつてのハドラーは、アバンにも敗れ、バランにもボッコボコにされ、ダイにも負け続けた。そのハドラーが、3人一体でようやく勝てるほどの強さにまでなれたということは、これはもう最大級の賛辞といえるのかもしれない。

さてキルバーンのキルトラップ、ダイヤの9が発動するわけだが、いかんせん場所がちょうどよすぎないだろうか。ダイとハドラーの倒れたところがあの地点からずれていたら、まったく効果がないということになってしまうが。それとも、2人が倒れる場所を見定めてから、狙ってトラップを設置したのだろうか。見えている限りではいまいちよくわからなかった。

そしてキルバーンが引っ込んだあとで、原作ではキルバーンとバーンがトラップについて会話を交わすシーンがある。が、アニメではまさかのほとんどカット!!これはびっくりした。というか私が見落としたんじゃないかと思って何回か見てしまった。しかし、やはりグランドクルスからのキルバーンの残酷さが魔界一というところに飛んでしまっていた。うーむこれは尺の都合で仕方なかったのだろうか。キルバーンとバーンが会話する貴重なシーンなのでアニメで見たかったところではあるが仕方ないか。

そういえばグランドクルス、たしかにキルトラップには弾かれたけど、バーンパレスの床を削ることはできた。ということは最初から地面を破壊するために撃っていたら地面が壊せて、トラップから出ることができたんじゃないのか?と思ってしまったが。

そしてレオナがマァムと話すシーン。改めて見ると、手を握って血が出るって相当すごくないか。どんな力で握れば血が出るんだろう。そういえば前にバランがポップに血を与えるときに同じようなことをしていたが。レオナの握力はどんなものなのか。

マァムがトラップの炎にパンチを打ち込むシーン。なんか、多少火が跳ねているところを見ると、まったく効果がないわけでもなさそうに見えるが。てか、魔甲拳で魔法防御を高めた状態ならあのトラップに無理くり入るとかできなかったんだろうか。まぁそれをやるなら鎧の魔槍ヒュンケルのほうがより適任な気はするけど。そんなんできたら展開的には駄目だけど(笑)。

次回予告。アバンの影も形もなし!そりゃそうか!


【Podcast】 Cast a Radio 「ダイの大冒険」を語る