ダイの大冒険(2020)第66話が放送された。今回は、ロン・ベルクとミストバーンの因縁の対決に始まり、アバンの使徒たちがミナカトールを使おうとするもポップのしるしが輝かないところまで描かれた。
冒頭、さまよう鎧が人間たちに倒されていくシーンが描かれるが、これは前回のダイログでも述べたが、明らかに数が多すぎる(笑)。たった36体しかいないなら、もうそろそろとっくにさまよう鎧たちのほうは全滅していてもおかしくないような気はするが。それとも、ミストバーンの暗黒闘気かなんかの影響で、ちょっとやられたくらいでは彼らはどんどん復活しているのだろうか?
フローラが、メルルに襲いかかるさまよう鎧の剣に鎖状の武器を遠方から巻きつけて、剣を奪い取り、それをそのままさまよう鎧にぶっ刺すシーン。勢いよいアニメーションで描かれていてダイナミックなシーンだが、冷静に考えるとフローラの芸当がすごすぎる。果たしてアバンの使徒やアバン本人にもこんな高等な技は使えるか怪しいレベル。フローラもじつはアバン流の鎖殺法をこっそり学んでいたのではないかと思ってしまう。
どうでもいいけど、アバン流鎖殺法ってなんて読むんだろう。「ささっぽう」?言いにくい(笑)。
そして回想シーンのなかでバーン、ミストバーン、そしてロン・ベルクのかつての会食シーンが出てくるが、改めてこのシーンを見ると、バーンの席とロン・ベルクが座っているソファがめちゃくちゃ遠いなぁと思う。この距離で会話するとなると相当でかい声で話さないと聞こえない気がするのだが(笑)。
バーンがロン・ベルクを配下に口説こうとするシーンで、「最強の軍団を任せてもよい」と言うのだが、そもそもロン・ベルクは剣士として最強なのであって、軍団の指揮官として資質があるかどうかでいうと、それは直接関係ない気がする。というか、これだけ孤高の求道者であるロン・ベルクにとって、軍団の指揮官というのはもっとも適性がない仕事のように思う(笑)。それでも、指揮官のポジションでロン・ベルクを釣ろうとするバーン。なぜそれを言ったのだろうか。何を言ったところでスカウトは不可能だとわかっていて、遊びで発言しただけだと解釈するのがいいだろうか。
ところで、このロン・ベルクとバーンのシーンをみていて不思議な思いがするのは、なぜバーンの肌の色は人間のような色なのか、ということである。ロン・ベルクの顔色は青く、魔族であることがあきらかだ。しかしバーンはどちらかというと人間に近い。私はてっきり、魔族であれば青や緑や紫色の肌をしているものだと思っていたが、アニメのなかで描かれる範囲では、バーンという最強の魔族が肌色なのはちょっと不思議だ。青や緑だとすごみが足りないから?しかしハドラーは青い肌なので、別にそういうわけでもないんだと思う。
これは完全にただの妄想なのであるが、バーンは実は純粋な魔族ではないのでは?と思う。なぜなら魔族だとするとあまりにも強すぎる。そもそも竜の神、魔の神、人の神が、世界のバランスをとる存在として竜の騎士をつくったはずなのに、単体でその力をゆうに超えているバーンの存在を考えると、あきらかに異常な存在である。となると、ひょっとして魔族すら超えた別の存在かなにかではないかと思ってしまい、その現れが肌の色なのか?と思ったりする。
そののち、場面は現在に戻り、ミストバーンとロン・ベルクのバトル。なぜか球があちこちに移動するような形のバトルになる。このような戦いが描かれるのは、私の認識している範囲では、ダイの大冒険のなかで唯一このバトルだけだ。のちのダイとハドラーの真竜の闘いは、単にエネルギーの蓄積によって戦闘空間のまわりにエネルギーのゾーンができていくことなので、今回のバトルとは性質が全然違う。
ロン・ベルクとミストバーンという実力者が、なぜか戦場を移動しまくって戦う結果起きている球のぶつかり。しかしこれ、ほかのモンスターや人間たちは巻き込まれたら即死なんじゃなかろうか。えらい迷惑だ(笑)。
さてこのミストバーンとロン・ベルクの戦いは、いったいどの程度のすごいバトルなのだろうか。あまり比較材料がないのでなんともいえないが、クロコダインが別次元の戦いといっているあたり、クロコダインの戦闘レベルを大きく超えている戦いということになるんだろうか。ただミストバーンにしても、得意ワザである暗黒闘気系のワザをほとんど使うことができず、デストリンガーブレードでのチャンバラをずっとやっているあたり、果たしてどの程度なものか。のちに、復活ラーハルトがポップとマァムの助けを借りながら、ミストバーン相手に優勢に戦いを進める(しかしダメージ0)ことになるが、それでいうと闘気などを使わない戦いとしては、ラーハルトとロン・ベルクは同等程度の実力者ということになるのだろうか?
そして、こののち、グレイトアックスを受け取ったクロコダインが「ちょっとしたアバンストラッシュ気分だ」というシーンのあとでガルーダ登場と、バダックの一人ツッコミというアニオリシーンが追加されていた。これはダイ好きTVでも触れられていたが、ちょっと楽しい追加であった。
エイミの鎧の魔槍手渡しシーンでは、原作と違ってメルルが「エイミさん」と言っていた。これはのちの展開、すなわちメルルの自己犠牲の展開を知っていると、なかなか見事なセリフ話者変更といえよう。
ヒュンケルがアムドによって、上半身裸の状態から、全身がすっぽり黒いスーツに包まれたシーン。改めて、あのゾゾスーツ的な部分も、鎧の魔槍の重要な一部であることがわかる。かつて、魔剣戦士ヒュンケル時代の本拠地が溶岩に飲まれたときに、なぜ溶岩でヒュンケルは死ななかったのか、という話を考えたが、この鎧のゾゾスーツの防御力の高さが理由ではないかと改めてふと思う。
そして久々に登場、クズエラさん、ダニエラさん、いろいろ言われるザボエラさん。今回、ドヤ顔で魔法の球を展開するが、そもそも私の疑問は、この世界における「発明」「イノベーション」は誰が担っているんだろうという話だ。魔族が使う道具に関しては、ザムザのような研究熱心な魔族たちが発明したものが、献上されるような形で新発明が戦場で使われていくのだろうか。魔界を掌握して地上消滅を目論むバーンは、ちゃんと研究開発やイノベーションに投資しているのか?このあたりは気になるなぁ。
【Podcast】 Cast a Radio 「ダイの大冒険」を語る