ダイの大冒険(2020)第59話が放送された。今回はバーンパレスの世界空爆のはじまりから、バーン戦で敗れたポップとマァムがフローラに出会うほか、精神世界から戻ってきたダイが仲間たちに合流するところまでが描かれた。
冒頭、久々に偽勇者一行の登場。アニメ化でカットされそうな偽勇者たちだが、多分これまで原作で登場した場面はほとんどカットされずに皆勤賞で登場しているように思う。これも、最後の最後、ピラァオブバーンを食い止めるという「おいしい」役目があると考えると、伏線をしっかり張っているという意味でも、またアニメとしてシリアスシーンが続く中でちょっとしたギャグパートを入れる意味でも、いろいろうれしいところではある。
さて、そして前回ハドラーを拘束して、その手柄で魔軍司令補佐を言いつかったザボエラが登場する。彼は当然地上消滅作戦は知っていると思われるのだが、それには果たしてザボエラにとって望ましいことなのか?というといまいちよくわからない。別に魔界生まれだから魔界さえあれば良いのだろうか。
しかしこの、ザボエラにちゃんと新しい役職が用意されるあたり、魔王軍、というかバーンに論功行賞の思想が結構強いのだなとは思われされる。どうせ地上を吹っ飛ばすうえに、実質魔王軍もほぼ再編成が今後必要になるのではと思う中で、そんな適当に役職ぽいぽいあげていいのかとは思うが、逆にいうとミストバーンの言うように、変な動きを見せたらすぐ処刑するだけなので、あまりバーンがそのあたり細かく考えていないというのが実態かもしれない。
ただちゃんと功績が認められたというあたり、やっぱり前回のハドラーの超魔爆炎覇のシーンは老バーンにとっては相当ピンチだった可能性は高そうだ。うーん、惜しかった、ハドラー!
さてマァムとポップが浜辺に流れ着くシーン。ここでは原作であった洋上での二人のやりとりはカットされていたように思う。力尽きそうになるなかでポップがマァムへの思いを口にしかける、というところ。個人的にはちょっとそこは見てみたかった気はする。
流れ着いた二人を発見してくれたのは獣王遊撃隊員8号のクマチャ。このあとの会話で、バーンとの闘いから4日が経過したことが明らかになっているのだが、そもそも以前のチウの隊員はアニメとしては3号のマリべえまでしか描かれていなかったはず。その時点では何号まで部下にしていたのだろうか?大魔宮の入り口を探してから、元気になったチウがモンスターたちを倒して部下を増やしたというのはちょっと時間的に厳しそうな気はする。では、前からいたのだろうか?であればこんなグリズリーのような強そうなモンスターにチウはどうやって勝ったのであろうか…。色々疑問はある。
フローラの回想シーンのなかで、個人的に一番印象にあったのはロカの髪色。原作では色がなくてわからなかったが、相当に真っ赤な髪色であった。と思って勇者アバンと獄炎の魔王の漫画の表紙を見ると、たしかに赤系統だった。そしてレイラの髪色は、原作を見ると黒のようにも見えるし、でも女忍者形態のときは赤っぽいようにも見えるのだが。ということで、マァムのピンク色の髪色は、父ゆずりである可能性が高そうだ。
フローラがアバンのことを語るシーンではアバンのことを「死んだのでしょう?」とさらっというところがあるが、原作よりも少し優しく、でも軽く言っているように聞こえて、これはいい演技だなぁと思った。
さて話は飛んで、ダイと聖母竜の精神世界の話であるが、一番疑問だったのは、聖母竜の命を脅かしている「ある邪悪な力」ってなんだっただろう。これは原作でも明らかになっていないことであるが。バーンでないことは確かそうだ。バーンならバーンと言えばいい。ヴェルザーだとするなら、それも言えばいい。ダイは知っている存在なわけだから。じゃあ、その2人ではない邪悪な力とはいったい…。これは続編漫画への伏線だったのであろうか。
ここで聖母竜が自らの力を与えてダイを蘇生?させるが、もしかしたらこのときの与えた力が、のちの双竜紋を発動させるためのひとつの条件を満たしたのかもなーとかと思ったりする。
バランが精神世界で語るダイへの願いは切ない。バーンを倒し、愛する人(=レオナ)と結ばれ、子供を持てといっているわけだが、たしかにバーンを倒すものの、最後は爆発に巻き込まれて行方不明になってしまうダイなので…。
そういえばテランに降りてくるダイが、原作ではわりとすぐ降りてくるが、アニメだと効果音を伴ってゆっくり降りてくる印象になっていた。天空の城ラピュタでシータが降ってくるシーンを思い出したのは私だけではあるまい。
原作ではナバラがダイの介抱をしようとするが、アニメでは出番なし!とことんナバラさん出番ないな。
そして、原作だと杖をついているテラン王が、やっぱりアニメだとめっちゃ元気なんだよな。シン・テラン王健在。
【Podcast】 Cast a Radio 「ダイの大冒険」を語る