ダイの大冒険(2020) 第42話が放送された。鬼岩城を失ったミストバーンが正体を明かそうとしてしまったところをキルバーンに止められ、戦闘から離脱した2人をポップが追いかけ、死の大地にたどりつき、そこで超魔生物したハドラーとダイが対面するまでが描かれた。
さて前回のダイログで、「ロン・ベルクとジャンクが剣ができたあとに語るシーンがなかった」と書いていたが、見事に今回のエピソードの冒頭に入っていた。あ、やっぱり差し込まれる場所が変わっていただけだったのか。よかった。
ただ冒頭だとちょっと唐突すぎる気がしないでもなかったけど。まあしかし重要なシーンだったのでちゃんと描かれてよかったということで。
鬼岩城を破壊されたミストバーンが雄叫びというか大声を挙げるシーン。漫画だと、当たり前だが音がないので、字面からイメージをふくらませるしかなかったが、アニメとしてこのように声として乗ってくるので、なかなかインパクトがある。無口なキャラという設定のミストバーンがここまで大声で叫ぶということは、その動揺ぶりが伝わってくる。しかしまあとことんミストバーンというのは熱しやすい性格である(笑)。
ミストバーンがポップのベギラマを増幅して打ち返すシーン。原作のときから思っていたんだが、あれってどんな原理なの?マホカンタというわけでもないだろうし。
キルバーンがポップたちに言葉を投げかけて去るシーンでは、アニメオリジナルで、ポップを名指ししての挑発が加えられていた。「これで仲間が多少頼りなくても安心だろうって。特に君だ。鬼岩城相手に何もできなかっただろう。」と。それを聞いたポップが怒ってトベルーラで追いかけるわけだが、たしかにこのシーンが追加されたことで、ポップが飛び出してしまう理由付けができていたように思う。
「やーい、頼りないー」というピロロの煽りも効いている。最初から最後まで煽るのがうまい人達である(まあ、最後の最後には、煽りすぎてマァムに殺されるピロロであるが)。
そのあとで戻ってきたダイがトベルーラで追いかけていくわけだが、ヒュンケルが与えた情報は北西の方角というだけ。それで飛び出したダイだが、よくよく考えると無事にポップのところにたどり着けたのはものすごく運がよいのではなかろうか。というのも、方角だけ指示されてまっすぐ飛び出したとすると、進む方角が1度ずれていただけで、たとえば100km先にまっすぐ進んだとすると、100×2×3.14÷360 ≒ 1.74kmずれてしまうことになる。ということは、単に方角だけの問題ではなくて、ダイはなんらかの方法でポップたちの所在を掴んだと考えるほうが自然なように思える。一番ありうるのは、フレイザード戦で空裂斬を放とうとしたときにダイが目をつぶりながら感じ取っていた「気」の存在だろうか。
そういえば、キルバーンが死神の笛でポップの動きを奪うシーンがこのあと出てくるが、ふとした疑問としてはなぜキルバーンは鎌という武器に、音楽を操るという繊細な能力をくっつけてしまったのだろうか(笑)。結果的に飛び込んできたダイの一撃で鎌にヒビが入って音楽が操れなくなってしまったわけで。武器同士ぶつかる可能性が高いのに、そんな繊細な仕様にしておくのは実に不思議である。ふつうに別の道具として笛を持っていればよかったのに。これを考えるに、やっぱりキルバーンは純粋にちゃんと戦った経験が足りなそうである(これは後にアバンに指摘されるポイントであるが)。
ダイログで、ミストバーンの戦闘経験と判断力不足を指摘したが、キルバーンもそのようなキャラだとすると、バーンの側近二人ともがそこがウィークポイントになっているというのは、それでいいのか?という気になる。まあそれの戦闘特化型の存在がハドラーだったのかもしれないが、魔軍司令というマネジメントポジションも同時に与えてしまったがゆえに、戦闘での失敗がマネジメントにマイナスに働くという悪循環を起こしている(笑)。うーん、バーン様の組織構築力に疑問が出てくる。まあ最終的に自分が戦えば最強だからどうでもよかったんだろうか。
あとはハドラーが今回登場するときの電撃の正体はいったいなんなんだろう。ライデイン?でもじゃあ誰が使ったの?ハドラー?でもハドラーがデイン系を使えるという描写はいままでなかったからなぁ。これも謎のままである。
【Podcast】 Cast a Radio 「ダイの大冒険」を語る