残酷、卑劣な三流魔王が、最期には主人公たちの人生指南役になる。そして灰になって、好敵手アバンを守る。
こんな展開を遂げるヴィラン(悪役)、少なくとも私は他の作品では見たことがない。
かっこいい所が1つもなかった敵・ハドラーがなぜ最後は圧倒的なかっこよさを獲得していったのか。
今回は、それを考え、そこからの学びを紐解いていきたい。
シェア
合同会社エンドオブオーシャン代表。ゲーム会社、EdTechスタートアップなどで勤務の後、フリーランスを経て創業。ダイの大冒険を深く語り尽くすためにPodcast「Cast a Radio」を開設。
残酷、卑劣な三流魔王が、最期には主人公たちの人生指南役になる。そして灰になって、好敵手アバンを守る。
こんな展開を遂げるヴィラン(悪役)、少なくとも私は他の作品では見たことがない。
かっこいい所が1つもなかった敵・ハドラーがなぜ最後は圧倒的なかっこよさを獲得していったのか。
今回は、それを考え、そこからの学びを紐解いていきたい。
作中で最も賢く、強く、勇者たちに幾度もの絶望を味わせてきた存在。それが大魔王バーンである。
が、そのバーンも最後は、地上の勇者たちに討たれる。
なぜそんな結末になるのか。
もちろん、作品のメタ的理由としては、「勇者たちが勝利しなくては終わらないから」なのだが(笑)今回は純粋に物語の読み解きとしての敗因分析、そこから得られる学びについて考察したい。
ダイの大冒険の魅力は、多岐にわたる。
今回はその中でも、「成長」にフォーカスして考えてみたい。
私が思うに、ダイの大冒険は「究極の成長マンガ」である。本記事は、それがなぜかをお伝えしたい。
ダイの大冒険。
1989年から1996年にかけて週刊少年ジャンプで連載された少年漫画である。
当時、小中学生だった世代を中心に大ヒットを飛ばした。私含めて、いまだにこの作品が大好きな人も大勢いる。
一方で、連載終了からすでに24年が経ち、2020年現在で20代や10代の人の中には、読んだことないどころか、聞いたことすらない人も多いはずだ。
誤解を恐れずに言えば、「名作古典漫画」になりつつある。