ダイの大冒険(2020)第63話が放送された。今回は、破邪の洞窟に潜ったパーティがミナカトールを手に入れて脱出するところと、並行してダイとノヴァの修業風景、そして、ポップの葛藤とマトリフへの相談の場面が描かれた。

冒頭のシーンで、ダンジョンの床が崩落して下に落ちるシーンがある。まさにドラクエ、というか不思議のダンジョンシリーズを感じさせるシーンだが、しかし下の方のフロアに向かうのが目的なら、落ちたらラッキーなんじゃないかと思うのは私だけだろうか…。

そしてミナカトールの入手に賭けるわけだが、ここでミナカトールによって「洞窟の邪気を払う」という予想をしている。ただ、このダンジョンは神々が作ったもの(魔法や破邪の秘法を封じておいた場所)だと思っていたのだが、そこにある邪気というのは何なんだろうか。可能な解釈としては、罠は神々が簡単に魔法を手に入れさせないために仕掛けたものだけど、モンスターたちは勝手にやってきて住み着いて、それが邪気を生み出しているというところなんだろうか?

このあと出てくる鎧の騎士軍団のCG感がすごく、CGっぽくてよかった。たしかなんか前に建物の倒壊するシーンでもこのCG感を受けた。現代アニメーションは手描きとCGの高度な融合なんだろうと想像しているが、このCG感をたっぷり感じるのは個人的にはけっこう好きだ。

そのあとで、4人が洞窟の奥に駆けていくところは、一転して止め絵になるのが、かっこいいなと思った。

さて、場面変わってダイとノヴァの修行シーンであるが、実はこの修行シーンが後の闘いにもけっこう影響しているのではないか、と今回ふと思った。もちろんこのあとで開発するストラッシュXはハドラー打倒とバーンに対する切り札になるのでめちゃくちゃ影響はしてるんだけど、そこだけではなく、その前の時点で、ノヴァと修行することで、ダイのストラッシュのアロー(A)タイプの速射力が上がったということが言語化されている。
もっともこのあと、実はAタイプのストラッシュにはほとんど出番がないのだが、出番がないということと、それができるようになっているということは全然違う。あらゆるスポーツや武術での闘いなどを考えてみるとわかることだが、持っている技を全部出しきれるということは実際はほとんどない。使える技の種類やレベルを高めておくことで、それを出すか出さないかという選択の幅を闘いの中で持てるようになるのだ。そういう意味で、この修行でダイがAタイプの速射力を上げていたことは、ダイ自身にとって大きな自信になっているはずだ。それがのちの老バーンとの闘いを優位にすすめるきっかけの1つともなっていると考えられる。かように考えると、この修行におけるノヴァの功績は非常に大きい。

よく考えると、ダイはアバンと離れたあと、「みっちりと闘気剣の修行をした」ことはほとんどないのではないか。ポップは武器術はほとんどできないので、剣術修行の相手にはならない。ヒュンケルはいつもどこかをほっつき歩いている。クロコダインもいつでも一緒というわけでもなさそうだし、修行をしたかどうかはよくわからない。ロン・ベルクの修行も、あくまで剣の使い方を指導したというだけで闘気剣の修行ではない。
実は、このときのノヴァこそが、初めてまともにダイに対して闘気剣の修行をつけてあげた人なのではないか。
のちに老バーンとダイが再戦したときに、剣が折れずに互角に戦える様になっているのを、ダイ自身もバーンも、双竜紋のおかげだと思っているが、ノヴァの修行によるレベルアップもそれなりにあるんじゃないか?

そして、ノヴァとの修行中にストラッシュXを思いつき、いきなりノヴァ相手に試してノヴァの剣を破壊するわけだが、このとき、遠目からXの閃光が夜空に光っているところが描かれていた。そのあとのXの倒木シーンも含めて、だいたいほぼネタバレしているというか、むしろここまで情報を出しておいても、あとでハドラー相手にXを披露したときの読者(視聴者)の驚きは薄れないなと思う。

さてシーンは変わって、また破邪の洞窟のパーティになるが、ミナカトール入手のところでとんでもない数のモンスターが出てきていた。しかもゴーレムやギガンテス、シルバーデビルなどのかなりランクが上のモンスターたちである。ほぼほぼマァム一人で戦うことになっていたが、戦闘力低そうなメルルはともかく、フローラは解説役がメインで、いや確かにメラっぽいものは撃っているのだが、もうちょっと戦ってあげてもよかったんじゃないかとは思う(笑)。
このときのマァムは武神流は使えるとはいえ、魔甲拳装備でもなく、これだけの数の強力モンスターたちを引き受けるのは相当のハードシングスではないだろうか。のちにクロコダインとヒュンケル救出の場面でザボエラが魔界のモンスターたちを使って人間たちに攻撃をするが、なんならそれよりこんときのマァムのほうが引き受けてる量が多いような気すらする。
マァムは閃華裂光拳を使わなったのか?は気になる。対生物であればかするだけで即死級の威力があるんだから使ったらいいんじゃんと思うんだけどどうなんだろうか。でもあれか、ゴーレムには効かないか。

レオナのミナカトール継承からのミナカトール使用。これが地下150階くらいにいるアバンへのシグナルになるわけだが、魔法って下方向にも伝播するのだろうか?それとも、輝聖石が特殊な力を発揮するときはアバンだったらわかるのだろうか?

そして、しるしが光らず苦悩するポップがマトリフに相談に行くシーン。ここで出てくるマトリフの老け方が相当急激に感じる。初登場時はめちゃくちゃに強いのだが、ここに来てなぜこんなに病弱になってしまったのだマトリフ!?ポップに修行をつけるためにメドローアなど色々使ったことでけっこう力を使ってしまって急激に老化がきているのだろうか。

マトリフからポップへのアドバイスシーンは原作の良さを、豊永さんと山路和弘さんが名演で活かし、素晴らしいアニメのシーンになっていた。ダイの大冒険が、アバンとその弟子たち、という構図のほかに、マトリフとポップ、ブロキーナとマァム、ロン・ベルクとノヴァ、とこういった魅力的な師弟関係が物語のなかで複数生まれていくところも、あらためて良さだと感じるのだ。

そして今回ふと気づいたのは、ダイの姿勢はノヴァにとって見習うべきものであり、ノヴァの知識や武術の教え方はダイのスキルを引き出したということでもあり、ここには異なるものを学び合う関係性があるのだ。


【Podcast】 Cast a Radio 「ダイの大冒険」を語る