ダイの大冒険(2020)第43話が放送された。超魔ハドラーとダイの初戦、最後にダイとハドラーが相打ちになり海に落ちるところまでが描かれた。
これは原作のときから思っていたのだが、ダイが「ザムザが送ったデータをもとに改造されたんだ」と話すシーンが面白い。難しいことを考えるのが一番苦手そうなダイが「データ」という言葉を口にする感じ。どこでダイはデータという言葉を学んだんだろうなぁ。
そして、超魔ハドラーの初撃を防御して右手のしびれてしまったダイが、なんとか左手で剣を抜きハドラーに斬りかかるシーン。原作では特に技名を呼称しなかったが、アニメでは海波斬ということになっていた。どうしてここは海波斬になったのだろう。どうしても私のイメージだと、海波斬は魔法や炎を斬るために撃つという印象が強い。最速の技を、普段使い慣れない左手でとっさに繰り出せるものなのだろうか。まあ、最終的に真バーン相手に左手で一番難しいとされるアバンストラッシュXを叩き込んでしまうダイなので、この程度で驚いてはいけないのかもしれないが(笑)。
なお、それに関してキルバーンが「鬼岩城をまっぷたつにした彼の技はおそらく大地斬、さっきのは海波斬」と、ご丁寧に補足説明を入れてくれている。残酷でサイコパスだが、視聴者に優しいキャラ、それがキルバーンである。だいたいいつもキルバーンが説明してくれている印象(笑)。
このあとダイがアバンストラッシュを撃つときに「俺の全パワーを込めた一撃にはかなわないはずだ」と発言するシーン。のちにダイは、これを「剣の力を自分の力と勘違いしていた」と反省するわけだが、それに関してはさておいて、そもそも「ドラゴニックオーラを込めたオリハルコンの剣による竜の騎士の必殺技」はこれが初めてではなく、さらにそれを耐えきったキャラがいることを忘れてはならない。もちろんそれは、バランのギガブレイクを耐えきったクロコダインのことである。なんなら、魔法剣なので、このときダイが繰り出したオーラだけを込めたアバンストラッシュよりもっと強力なはずだ。しかも、2発。しかも、クロコダインの場合は、思いっきり胴体に直撃している。言い方はあれだが、クロコダインをおそらく強度的には上回るであろう超魔ハドラーに対してそのままでは通じないのは、それはどうやってもそうなのではなかろうかと思ってしまった(笑)。てか改めてクロコダイン尋常じゃない耐久力だなと思う。
アバンストラッシュのシーンが、劇画調というかドアップで青(ダイ)と赤(ハドラー)が対比されている感じも含めて非常に印象的だった。このシーンがいいねということはダイ好きTVても言及されていたが。いままで、なんでダイのドラゴニックオーラは青色なのかなぁと思っていたが、魔炎気を操る超魔ハドラーとの対比のために青だったのだと思うと、大変納得がいく。ここまで想定して作られていたのか!2020年版スタッフチーム皆さん、さすがだわ。
そのあと、ハドラーが魔炎気を繰り出すシーンで、またもキルバーン、というか今度はピロロによる解説が入る。これもアニメオリジナル。
「ま・え・ん・き。生命エネルギーを限界以上に燃え上がらせる暗黒闘気のことだー!覚えとけー!」
えええー!魔炎気って、そういう性質の暗黒闘気だったの!?おそらく原作ファンの多くが初めて知った事実に驚愕したことだろう。私もそうだった。
あとは、このあとでこれもまたアニメオリジナルシーンとして、ザボエラのカットインが出てくる。
「きーっひっひ。どうじゃ。わしが作り上げた完全無欠の超魔生物は。これでダイを倒せば竜の騎士を超越したことになるではないか。神がつくった竜の騎士を超越したということはつまり、わしが神を超えたということ。こういってしまっても構わんじゃろう。わしこそが神じゃ。きーっひっひ。」
いやいやいやいや!
ザボエラさん!
あんた、論理構造って知ってる???
G(神)が作ったD(竜の騎士)を、Z(ザボエラ)が作ったH(超魔ハドラー)が超えたということは、 H > D ということは意味するかもしれないが、別に Z > G にはならないだろ!というか、そこからさらに Z ≡ G ということにはならないだろ!どういう考え方をしたらこの論理は成り立つのか。いやどうやっても成り立たない。完全にザボエラの思い込みでしかない。
この圧倒的な論理飛躍。それがすごすぎる。たしかにザボエラは、取り入ることばかり繰り返したため、自身で汗をかかなくなり、結果的にミストバーンにも見放されることになるのだが、ある意味でそれはザボエラなりの合理性の追求の先にあったと考えれば、おかしなことはない。しかし今回ザボエラが口にしているのは、完全に論理破綻である。どういうこっちゃ。
ここでザボエラを登場させた意味も含めて、このあたりの演出背景はちょっと知りたいところではある。尺の調整なのかなぁ(笑)。よっぽど皆さんザボエラが好きなのか!?
あと、ダイとポップが舞空術、じゃなかったトベルーラでハドラーから逃げるシーン。なんかすっごい雲の上というか高いところにいる気がするんだが。そのあとハドラーとダイが剣を交えるところは別にそんな高いところでもなさそう。え、いつ移動したんだろ。
というわけで今週は、いろいろとアニメオリジナル要素があって、それを追いかけるのが面白かった(笑)。
【Podcast】 Cast a Radio 「ダイの大冒険」を語る